落葉と紅葉の理由
冬になると紅葉したり落葉したりする木がありますよね。
哺乳類は寒くなってくると冬を乗り切るために毛が増えるそうですけど、木はそのまったく逆のことをしています。
ツーリングで紅葉狩りに行ったとき、ふと疑問に思ったので調べて見ました。
が、この謎は未だに解明されていないらしく諸説あるようです。
ということでもっとも権威ありそうな、森林・林業学習館というサイトで語られている仮説を元に理由を紹介します。
【落葉する理由】
まず、葉っぱを維持するためにはエネルギーが必要となります。
このエネルギーを利益と支出に割り当ててみると、光合成で得られるエネルギーが利益、葉っぱの維持に必要なエネルギーが支出ということになります。
これが「支出>利益」となってしまうと木は冬の間ずっと赤字を出し続けることになるので、葉っぱの維持という支出を切り捨てるそうです。
【紅葉する理由】
落葉する理由でも述べたように、葉っぱを維持することが負担になります。
そのため木は葉っぱを切り捨てるのですが、折角しげらせた葉をそのまま落とすのは勿体無い。
そこで木は葉っぱの中にある養分を吸い上げるのだそうです。
この際に光合成を行う葉緑体が不要になるため分解されるのですが、その際に葉緑体から植物にとって有害な活性酸素が生じるようになります。
活性酸素の発生は青色の光を吸収することで抑制出来ますので、植物としては青い光を吸収したいわけです。
そこで出てくるのが赤い色素(アントシアニン)で、植物は葉を赤く染めることにより青い光を吸収して活性酸素の発生を少なくするのだそうです。
【落葉樹と常緑樹の違い】
葉っぱをしげらすことがマイナスになるのであれば、常緑樹が落葉しないのは何故かという疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
常緑樹というのは年中葉っぱをしげらせている木のことです。
これは木の環境に対する戦略の違いだそうです。
落葉樹、常緑樹、それぞれに適した環境というものがあります。
日本の場合は丁度どの植物も生きていける気候であるため、今のような混成状態にあるようです。
ちなみに年中暑い地域でも、年中寒い地域でも、常緑樹が多いそうです。
暑い地域では広葉樹(葉っぱの大きな木)が多く、寒い地域には針葉樹(葉っぱの尖った木)が多いそうです。