血を吸う蚊は全部出産を控えたメス! まさに命がけの出産
夏が終わってそろそろ秋がきます。
夏の間、我々を苦しめていた蚊も身を潜めます。
蚊は人間の血を吸うので、うとましく思っている人が多いでしょう。
しかし、人間の血を吸う蚊の背景には、とんでもないドラマがあったのです。
今回は、夏の嫌われ者、蚊についてご紹介します。
・蚊は血ばかり吸う虫ではない
蚊は本来、動物の血を吸いません。花のミツや果実の汁を吸って生きています。しかし夏になると、突然人間の血を吸うようになります。それはなぜでしょうか。
・産卵のためにたんぱく質が必要になる
夏は蚊にとって産卵のシーズンです。産卵にはたんぱく質が必要になります。花のミツや果汁だけではたんぱく質を摂取できません。そこで、人間の血を吸うようになるのです。
・血を吸うのはメスだけ
つまり、血を吸うのは、産卵を控えるメスの蚊だけということになります。お腹に宿る我が子のために、メスの蚊は命をかけて人間の血を吸うのです。
・命をかけた吸血
無事に我が子を産むために、蚊は、命の危険を冒して巨大な人間という動物に近づきます。こっそりと家の中に忍び込み、気づかれないように肌に着陸、複数の細い針で血を吸って、重くなった体で家の外へ逃げだし、水辺に産卵。まさに命がけのミッションです。
・一瞬の油断が命取り
我が子のために血を吸うと言われても、人間にとって蚊は不快な虫です。しかもその小ささからか、見つけ次第ためらいもなく殺しにかかってきます。一瞬の油断でパチン! お腹の中の卵もろとも死んでしまいます。
どうでしょうか。
血を吸う蚊の背景には、このような生命のドラマがあったのです。
私たちは蚊のような勇気を持っているでしょうか。
命をつなぐため、命をかける。
ただの小さな不快な害虫からも、人間が生きていくうえで非常に価値のある教訓を得られるような気がしませんか。
一寸の虫にも五分の魂。
たまには小さな生き物に目を向けてみるのもいいかもしれませんね。